KISSsoft 2022 SP3(KISSsys) 機械要素とトランスミッションの設計・最適化・解析

KISSsoft  は、国際的な規格に準拠した形での機械要素の設計・最適化・検算を目的とした、モジュール形式の計算プログラムです。

歯車計算ソフトは、平歯車、かさ歯車、ハイポイドギア、ウォームギア、ねじ歯車、べベロイド歯車、クラウン歯車など、あらゆる一般的なタイプをカバーしています。強度評価は、ISO、DIN、AGMA、VDIといった規格をもとに計算されます。その他にも数多くの設計支援や最適化支援のプログラム、規格以上の評価方法が提供されています。

シャフトとベアリング計算は、KISSsoft に幅広く取り入れられています。ベアリングの内部の幾何形状を考慮した上でのシャフトの強度やベアリングの寿命などが計算されます（ISO TS 16281）。計算は複数の同軸シャフトとそれらを繋いでいるベアリングを対象にすることができ、臨界ねじれや曲げに関わるシャフトの臨界固有振動数が計算されます。

シャフトとジャーナルの締結の計算では、締結そのものがうまく機能するかどうか、発生する押圧が材料の許容値内であるかどうか確認されます。計算モジュールは全て、強度に関わる幾何形状寸法や、伝達される最大トルクのための設計機能を提供しています。

KISSsoft でのネジ締結計算は、VDI 2230 パート1に準拠した計算や、VDI2230パート2に記載されているFEM結果を伴うネジ評価を可能にします。VDI 2230を補完する形で、業界で利用されている補完的な計算手法が実行されます。レポートに加え、応力グラフ、組立て時の予圧力、ネジの幾何形状がグラフィック表示されます。

KISSsys は、KISSsoft の拡張しステムで、ユーザーにギアシステム全体の設計を可能にするものです。歯車、シャフト、ベアリングの解析が同時に行われます。KISSsys を使って、任意の運動を計算し、ソフトに内蔵されたプログラミング言語で独自の計算工程や設計を実行することができます。

ギア計算パッケージGPKを使って、ユーザーは定義済ギアモデルが取り込まれているKISSsysの中で、素早く設計と計算を実行できます。ギアモデルには、数段の遊星歯車ギアや、かさ歯車と平歯車のギア、ウォームと平歯車のギアなど一般的な力学的機構が含まれます。これによりGPKは産業用ギアの計算などに非常に適しています。

KISSsys ギアバリエーションゼネレータは、ギアの段数のバリエーション、かみ合い部分の寸法、ベアリングコンセプトを含む、ギア装置の自動設計を可能にしています。ご希望の全体としての歯車比に応じて、要求される荷重に耐え、必要な安全性を満たす可能な全てのギアを算出します。ギアバリエーション評価は、総重量、費用または取付け空間の寸法等、数多くの条件によって行われます。

KISSsysでの効率の計算で、動力損失と熱収支に関して全パワートレインの評価を行うことができます。計算は、ISO / TR 14179に準拠して行われるので、動力損失や放出する熱量についての良い目安となります。一方では動力損失（転がり軸受、かさ歯車）のより正確な計算、もう一方では独自に定義した修正係数、時間の経過によるトルク条件、様々な評価方法といった数多くのプログラムが、KISSsysの計算範囲を実務に応じた形で補完しています。

KISSsysは、固有振動数に関してのパワートレインの評価を可能にします。ここでパワートレインは連成振動で計算されます。固有振動は歯のかみ合いまたは連結する転がり軸受を通してシャフト系に伝達されます。選択肢として、ねじれ振動または曲げ振動と軸の振動も考慮できます。結果として固有振動数が出力されます。3Dアニメーションにおいては、どのコンポーネントのどの固有モードが際立っているのか見てとることができます。

負荷下におけるハウジングの変形は、さらにベアリングとシャフトのミスアライメントに繋がり、影響を受けやすいハウジングではかみ合い角のずれになりかねません。ハウジングの縮小剛性マトリックスを介して、KISSsysにおいて現状のベアリング負荷にもとづくハウジング変形を求めることができます。続いて、ハウジングの柔軟性を考慮の上、歯車の接触解析を通じて理想的な荷重分布を検証・最適化できます。

KISSsys における信頼性の計算は、全ての歯車、シャフト、転がり軸受を含むパワートレインの全体としての評価を可能にします。これにより異なるギアコンセプトを簡単に比較することができます。信頼性計算の構成には、ワイブル形状パラメータならびに故障間隔を条件として入力することができます。

KISSsoftは、加工やかみ合いの検証のための高パフォーマンスの解析ツールを提供しています。「設計—加工—検査」ループにより、歯車設計・歯車加工・測定技術が一つのプロセスに統合されています。