Pipesim v2021 -- Steady-State Multiphase Flow Simulator

流体流動の課題を克服し、生産を最適化する新世代の混相流シミュレーションです。

安全で効果的な流体輸送

現代の生産システムでは、貯留層から処理施設まで、流体を安全かつコスト効率よく輸送する設計が必要です。これらのシステムが生産に入ると、最適な流量を確保できることが、経済的可能性を最大化するために不可欠となります。複雑な個々の井戸から広大な生産ネットワークまで、PIPESIM定常多相流シミュレータは、ライフサイクル全体にわたる生産の最適化を可能にします。

PIPESIMシミュレータは、30年以上にわたって、多相流、伝熱、流体挙動という流動モデリングの3つの中核分野における最新の科学だけでなく、コンピュータや石油・ガス産業の技術における最新の技術革新も取り入れて、継続的に改良を続けてきました。このシミュレータには、高度な三相力学モデル、伝熱モデリングの強化、包括的なPVTモデリングオプションが含まれています。ESRI がサポートする GIS マップキャンバスは、坑井、機器、およびネットワークの真の空間表現を支援します。ネットワークは、GIS キャンバス上で構築することも、GIS シェープファイルを使用して自動的に生成することもできます。インタラクティブなグラフィカルウェルボアにより、坑井モデルの構築と解析が迅速に行えます。また、すべてのプロセッサに計算負荷を分散させる新しい並列ネットワークソルバーの実装により、すべてのモデリングにおいてシミュレーションの実行時間の短縮が達成されました。

コンセプトからオペレーションまでの定常流の保証 

PIPESIMシミュレータは、フロントエンドのシステム設計と生産オペレーションにおいて、業界で最も包括的な定常流体保証ワークフローを提供します。このシミュレータの流量保証機能により、エンジニアは設備、パイプライン、リフトシステムのサイジングから、効果的な液体および固体管理の確保、井戸やパイプラインの完全性まで、安全かつ効果的な流体輸送を保証することができます。熱伝導、混相流、流体挙動などの手法を共有することで、定常解析と非定常解析の間のデータ品質と一貫性を確保します。

TPAの腐食モデル 

Trusted Pipeline Advisorの腐食モデルが追加されました。この腐食モデルは、NACE-ICDE標準に準拠しており、地域の滞留水の蓄積、バクテリアまたは酸素の侵入、既存の腐食損傷、黒い粉や破片の証拠など、さまざまな新しいパラメータを考慮したものです。

コンポジットIPR

新しいオプション「Vogel water cut correction」が「Use Vogel below bubble point」オプションで追加されました。この新しいオプションは、水の割合に基づいてバブルポイント以下のIPRカーブを調整します。ウォーターカットの値が高い場合、曲線はより直線的になる傾向があり、フリーガスの影響が低減されます。

NODAL解析におけるGLマルチポインティング 

ガスリフトマルチポインティングは、ガスリフト診断タスクを用いてモデル化できる非現実的な条件です。PIPESMシミュレータは、NODAL解析とデータ比較タスクでこの状態を予測することができるようになりました。マルチポインティングオプションを有効にすると、バルブの状態、開、閉、スロットルも利用できるようになります。

井戸の熱伝達

PIPESIM 2021.1では、チューブ、ケーシング、アニュラスの材料特性だけでなく、地熱伝導率を考慮したRameyモデルを使って、PIPESIMに熱伝導率を計算させることができます。