CAE.CFD.FEA
FEMtools V14--高精度の解析ソルバーを搭載したCAEソリューション・システムです
FEMtoolsの基本的なシステム・モジュールには、次のような解析機能を搭載しています。
FEMtools Correlation (相関分析)
実験と解析のそれぞれを結果を比較し、分析することができます。
FEMtools Correlationは、 次の ツールを含んでいます。
プリテスト解析 - モードテストの計画、シミュレ-ション、および最適化
相関分析 - 2つのデータ集合(FEA-テスト、FEA-FEA、テスト-テスト)間の視覚および数値による比較
プリテスト解析
基準となる有限要素モデルが使用できる場合、このモデルはテストをシミュレートするために使用することができます。これは、テストエンジニアに構造物を加振する最適な位置と方向、およびトランスデューサの設定位置を与えてくれます。FEモデルは縮小してテストモデルに変換することができます。プリテスト解析によって、次のような質問の答を得ることができます。
所定の周波数帯域内にどのくらいの数のモードが存在するか。
一組の候補位置の中で、どの位置と方向がセンサー、加振機およびサスペンションに対して最適か。
縮小された有限要素モデルからテストモデルを作成し、モードテストパッケ-ジによって再び読み取れるフォーマットでエクスポートできるか。
有限要素モデルから曲面に対する法線の方向を決定し、テスト変位を直交座標に分解するためにその情報を使用できるか。
測定方向をオイラー角に変換できるか。
モードパラメータに対する加速度計大衆の影響を評価してください。
FEMtools相関分析のプリテスト解析を使用することによって、実験プロジェクトでの最適なモードテストを設定し、モード解析精度を高めることができ、FEモデルアップデートが可能になります。
主な機能
基準有限要素解析 - 関心のある周波数帯域内のモードシェープを解析します。FEAデータ(モデル、モード、FRFs)は、FEMtools Frameworkまたは外部ソルバ-を使って計算またはインポートすることができます。
目標モードの選択 - 関心のある周波数帯域内のモードを、エネルギーを考慮して選択します。モード有効質量(Modal Effective Mass)法、運動エネルギー率(Kinetic Energy Fraction)法があります。
候補センサー位置の選択 - 候補センサー位置を選択するために、アクセスのしやすさ、コスト、幾何学形状(面、縁、またはコ-ナ-節点)のような基準、または他のユーザー定義の基準を使用します。
センサー配置基準 - これは加振機、サスペンション、およびセンサーの最適な位置と方向を見つけるための半自動的な方法で 、モード変位またはエネルギー(運動エネルギーまたは歪エネルギー)に関する情報を使い、目標モードの可観測性をベースにしています。正規化モード変位(Normalized Modal Displacement)法、節点運動エネルギー(Nodal Kinetic Energy)法があります。
センサー除去基準 - これらの方法は、オプションによりモードシェープ間の1次独立か直交性を維持する方法で、候補の集合から対話形式でセンサーを除去します。有効独立法(Effective Independence Method)、MACによる除去(Elimination by MAC)法、反復グヤン縮小(Iterative Guyan Reduction)法があります。
テストモデルの作成とエクスポート - FEモデルの切り捨て、テストモデルへの変換、モードテストソフトウェアへのエクスポート、保持されたセンサー位置間のトレースラインの自動生成。また、面に対する方線の方向は、FEモデルから求めることができます。
利点
プロジェクトにおけるテスト戦略 をすばやく計画できます。
センサー、加振機、およびサスペンションの最適位置が簡単に見つかります。
基準FEモデルからテストモデルをすばやく作成できます。
FEモデルの検証とアップデートに対するモードテストデータの品質を向上させます。
相関分析
相関分析は、2組の結果データを定量的かつ定性的に比較します。通常、これはFEMtoolsデータベースにインポートされたFEAとテストのデータベースです。しかし、このツ-ルはFEA-テストに限らず、FEA-FEAやテスト-テストの相関にも使用することができます。
位置相関 - 結果として、マッピング(写像)された自由度を用いてテ-ブル化された応答間で互いの位置を比較します。これは、手動または自動ツールを使って行うことができるモードの向きやスケ-リングの変更を必要とするかも知れません。
視覚による形状相関 - 左右並列、重ね合わせ、およびアニメ-ション表示を使って、視覚で形状(静的変位、モードシェープ、実稼動モードシェープ)を比較します。
グローバル形状相関 - 種-の基準を使ってグル-バルに形状を比較します。結果はシェープペアリングに使用されます。
ローカル形状相関 - 形状間のローカルな位置相関を解析します。結果を解釈してモデル化の欠陥場所を見つけたり、モデルアップデートパラメータの選択のガイドラインに役立て たりすることができます。
シェープペアリング - シェープペア(静的、モード、実稼動)のテ-ブルを作成します。
FRFペアリング - FRFペアのテ-ブルを作成します。
FRF相関 - FRF関数間の相関を解析します。FRF関数は、周波数の関数として2つの関数間または一組のFRFペアに関する形状と振幅の間でグローバルに相関を解析します。
相関係数 - 関FEモデルの検証とアップデートの対象となるモードテストデータの品質を向上させます。
主な用途
相関分析は、FEモデル検証、最適テスト条件の設計、異なるモデル化戦略、モデル化誤差の同定、損傷探索、...などに使用されます。相関分析の結果は、FEモデルアップデート用の目標を定義するために使用されます。よく似たモードシェープは、FEデータベースとテストデータベース において同定され、したがって共振周波数の差異、MAC、モード変位に関するレジデュ-が得られます。
もう一つの用途は、測定でしか得られない情報によって解析者を援助することです。一例として、モード重ね合わせ法に使用されるモード減衰が挙げられます。モード減衰は実験的に得られ、相関分析を使ってテストモードシェープと最もよく一致することが分かった解析モードシェープに適用されます。
モード相関分析は、アウトプットオンリーモード解析(Output-Only Modal Aanalysis)によって得られたテストモードシェープのスケ-リングにも使用されます。解析モードシェープによって使われるものと同じスケーリング(たとえば、単位モード質量) が、相関のあるテストモードに適用することができます。
グローバル相関分析と違って、位置相関の手法はより良い相関とかより低い相関を識別するために使用されます。これは構造物の情報にリンクされるときに「モデル化の誤差」として解釈することができます。これらのツールがどのように使われるかによって、その結果はアップデート変数(パラメータ)の選択を支援したり、構造物の欠陥を推定するために使用されたりします。
主な機能
FEA-テスト 、FEA-FEA、テスト-テスト相関
自動または手動のモデルマッピング
DOFペアテ-ブルの定義、ランキング、およびフィルタリング
モード信頼性評価関数(MAC)を使った静的、モード、実稼動の形状相関
完全システムマトリックスまたは縮小システムマトリックスを使ったモードシェープの 自己直交性チェックおよびクロス直交性チェック
ダブルモード(軸対称構造物)の自動サポート
自動モードシェープペアリング
MAC寄与解析
座標MAC(CoMAC)、座標直交性チェック(CORTHOG)、相関形状差(Correlated Shape Difference)、およびモード力残差(Modal Force Residue)解析を使った位置形状相関
FRF相関(SAC, CSAC, CSF)
ローカルテスト座標系を使った相関
FEMtools Model Updating (モデルアップデート)
構造解析シミュレーション、モデル検証、モデルアップデートのための統合解析
FEMtools Model Updatingは、次のモジュールを含みます。
感度解析 - パラメータの変化が構造物の応答にどのように影響するかを解析します。この情報は、モデルアップデートを含む他の用途に用いることができます。
モデルアップデート - 対話形式でアップデートパラメータを変化させて、構造物の応答をできるだけ参照応答に一致するように改善します。
調和外力の同定 - 実稼動モードシェープから調和外力を同定します。
確率的解析 - 不確実性をパラメータに適用して、出力応答に関する確率分布を求めます。
実験計画法 - 測定空間設計の効率的なサンプリング
感度解析
感度解析は、ばね剛性、材料の剛性、幾何学特性などのパラメータを変更することによりモデルの構造的応答がどのような影響を受けるかについて、その感じを解析者が掴めるようにするテクニックです。感度解析は次のような目的に使用できます。
What-if解析 - モードパラメータまたは他の応答タイプに関する仮定をモデル化した場合の影響を検討します。
変動解析 - 設計空間全体における設計変数と応答の関係を見つけます。
プリテスト解析 - 感度解析は、モードパラメータについてトランスデューサの質量負荷の影響を検討する場合のように、プリテスト計画にも適用できます。
所定の応答とパラメータの組み合わせに対する構造物の感度が高い領域と低い領域を識別する - これは、モデルアップデート用にどのパラメータと応答を選択すべきかを解析者が決定するのを支援します。
モデルアップデート - 感度マトリックスは、 ゲインマトリックスの逆マトリックスです。予測応答値と参照応答値との差異を補正するのに必要なパラメータの変更量を見つけるために、その差がこのゲインマトリックスに掛け合わされます。
設計最適化 - モードパラメータ値または他の応答タイプをシフトするために構造物を変更する最適な場所を見つけます。
音響感度 - FEMtoolsによって計算される構造感度は、それらが音響感度の計算に使用される音響解析パッケ-ジにエクスポートすることができます。
感度係数は、パラメータ値の修正の結果として、応答値(例えば、共振周波数や質量)の変化を数量化します。応答とパラメータのすべての組み合わせに対して得られた係数は、感度マトリックスに保存されます。このマトリックスを分析することによって、構造物の感度が高い領域と低い領域に関する情報が得られます。カラ-グラフィックスは、これらの異なる領域を視覚化して、パラメータ選択の迅速な最適化を可能にするために利用することができます。
感度解析およびモデルアップデートは、ユーザーによる参照応答とパラメータの選択を必要とします。
感度係数は、微分法または有限差分法を使用して、FEMtoolsにより内部計算されます。計算が可能かどうかは、パラメータタイプや要素フォーミュレーション(要素タイプ)に由ります。別報として、外部で計算された感度係数をインポートすることができます。たとえば、NastranのSOL 200を使用して計算された感度は、FEMtoolsでモデルアップデート用にインポートすることができます。
主な機能
パラメータとして、すべての要素の材料特性、幾何学特性、境界条件、集中質量、および減衰係数などが選択できます。
応答として、質量、静的および動的変位、共振周波数、モード変位、MAC、FRFs、およびFRF相関関数などが選択できます。
ローカルパラメータおよびグローバルパラメータに対する感度が得られます。
内部感度解析(:絶対感度または正規化感度、有限差分感度および微分感度)が可能です。
外部感度解析(Nastran SOL 200)のプリ/ポスト処理 が可能です。
感度マトリックスおよびゲインマトリックスの解析が可能です。
構造応答
次の参照応答タイプが、感度解析用に選択できます。
質量、重心、および 質量慣性モーメント
静的変位
共振周波数
個別モード変位
MAC値
周波数応答関数(FRF)値(所定の周波数での振幅)
FRF相関関数値(シグネチャ相関および振幅相関)
実稼動変位、速度、または加速度
設計変数
以下のパラメータタイプが、感度解析用に選択できます。
材料特性 - ヤング率(等方性または直交異方性)、ポアソン比、剪断率、および質量密度
要素の幾何学特性 - ばね剛性、板厚、およびビ-ム断面特性
集中特性 - 集中剛性(境界条件)および集中質量
減衰特性 - モード減衰、レイリー減衰係数、粘着減衰ダンパ-および構造減衰ダンパーの値
パラメータは、ローカルレベルおよびグローバルレベルのいずれでも選択できます。
ローカルパラメータは、個々の要素を参照します。
グローバルパラメータは、個々の要素の代わりに要素の集合(要素セット)を参照します。
モデルアップデート
FEMtools Model Updatinは、 有限要素モデルをテストデータのような参照目標にできるだけ一致するようにアップデートするためのユ-ティリティや手法を含んでいます。アップデートの方法は、シミュレートされた応答と目標値の間の相関が改善されるように、選択した(たとえば材料特性、ジョイント剛性などのような)要素物理特性を対話形式でアップデートする感度係数の使用に基づいています。応答のタイプは、静的変位、質量、モードデータ、FRFs、実稼動データ、あるいはMACのような相関値でも構いません。アップデートされるパラメータは、FEモデルの定義に使われるすべての質量、剛性、減衰が可能です。結果として得られるFEモデルは、より一層信頼性の高いものとして、それ以降の解析に利用することができます。
用途として、たとえばFEモデルの検証と高精度化、振動試験による材料の同定、FEモデルの縮小、損傷探索、...などが挙げられます。
モデルアップデートとは、
FEA結果とテストデータおよび参照データの間の相違は、モデルの粗いメッシュ、系の物理特性(例えば、線形FEM理論におけるモデル化の非線形挙動)、不適切な境界条件、要素特性、幾何学特性およびモデリングの不確実性などの起因します。これらの「誤差(エラー)」は実際、モデル化における情報不足によって生じ、FEA結果に対するそれらの影響を分析しなければなりません。そこで、FEモデルに関連したエラーを縮小するために改善処理を行わなければなりません。モデルアップデートは、FEモデルにおけるエラーを修正し、正確な構造データを構築するための機能と呼ばれます。
一般に、FEAデータとテストデータ間のエラーを改善するには、FEモデルの質量、剛性、減衰などのパラメータを修正することにより、モデルアップデートが可能となります。FEモデルアップデートの目的は、直接法と異なり、与えられた状態(解析モデル)の数学モデルを再生し、不確定なモデル化を仮定するパラメータに物理的な変更を加えることにより、モデルとテストデータ間の改善を達成することです。理論上、最適化されたFEモデルによって、任意の荷重条件、境界条件、衝撃などシミュレーションに使用することができます。また、そのモデルは現実的な変位や応力を推定するために使用することもできます。
FEMtoolsにおけるモデルアップデート
有限要素モデルアップデートには、さまざまな方法があります。FEMtoolsは、感度係数と重み値(ベイズの推定)を使った、実績のある対話形式の、パラメータによる、モードベースおよびFRFベースのアップデートアルゴリズムを使用します。テストデータとの相関をチェックするために使用されるFEAの結果は、現時点のアップデートパラメータ値を持つFEモデルを使って比較されます。モデルアップデートの方法は 、FEA結果とテスト結果との食い違いと、その食い違いを縮小するアップデートパラメータの変動量を決定するために感動係数を使用します。その後でアップデートパラメータの新しい値を使ってFEモデルを改善します。このプロセスは、相関関数を使って解析されたいくつかの収束基準を満たすまで繰り返されます。
主な機能
アップデートパラメータおよびターゲットの広範な選択が可能です。
感度係数や重み値(ベイズの推定)を使った、対話形式、パラメトリック、モードベースおよびFRFベースの 、強力なアップデートアルゴリズムを備えています。
再解析に対して、商用または社内のソルバ-との統合が可能です。
スーパー要素ベースのモデルアップデートが可能です。
結果を検査するための専用のテ-ブルとグラフィックスを備えています。
複数モデルの同時アップデート(MMU:後述)が可能です。
単一のラン(実行)で異なるパラメータタイプ と応答タイプを組み合わせることが可能です。
アップデートパラメータのリンクが可能です。
相関関数の事前定義やカスタ マイズが可能です。
ユーザーの確信度を表すアップデートパラメータおよびタ-ゲットの重み付けが可能です。
アップデートに関する拘束(max per iteration, abs max, abs min)が可能です。
感度は、内部計算または外部計算のいずれで得られたものでも使用できます。
最適なパフォ-マンスのために、感度マトリックスのスケ-リングが自動的に行われます。
静的および動的再解析のための内部ソルバ-および外部ソルバ-のサポートが自動的に行われます。
アップデートの間に、アップデートパラメータおよび系の応答のトラッキングが行われます。
UNDO機能およびデータベースの復元機能 を備えています。
アップデート後のFEモデルのエクスポート が可能です。
スーパー要素ベースのモデルアップデート
大規模なFEモデルを扱う場合、ボトムアップモデリングやテスト&アセンブリなどの方法が考えられます。これは、変更のない部分をモデル化するためにスーパー要素を使用するのがもっとも効率的です。残りの部分(=どのスーパー要素にも含まれない要素)においてアップデートパラメータが選択されれば、その残りの部分だけがアップデートされ、反復ごとにスーパー要素と結合されます。
複数モデルの同時アップデート
Multi-Model Updating(MMU)は、異なる構造物の構成に対応して一つの有限要素モデルの異なるバ-ジョンを同時にアップデートします。各-の構成に対して一つのモードテストが存在します。たとえば、衛星用のスカラーパネルは配備の異なる段階の間にテストすることができ、各段階に対して一つのFEモデルが存在します。これはすべての構成に共通の要素特性をアップデートするための参照として役立つ 、より多くのテストデータ集合を提供します。そのような特性とは、たとえばジョイントの剛性や材料特性などです。その他の例として、燃料の異なるレベルでテストされる打ち上げロケット、あるいは同定する必要のある複合材料でできた異なる形状の試験片などが挙げられます。
調和外力の同定
加振力が未知で、しかも直接測定できない場合があります。一つの解決方法として、応答値(たとえば変位、表面速度など)を測定し逆法を適用して加振力を同定することができます。FEMtools Model Updatinは、レーザースキャナ-を使って測定された表面速度から、マフラ-の空洞内の圧力を同定するために使用された実績があります。
主な機能
動的応答の測定から外力を同定
外力の位置に対するマスクの定義
調和荷重または要素圧力荷重の同定
同定された外力のエクスポート
確率的解析
すべての物理特性はバラツキと不確実性の影響を受けます。この特性が構造物においてどのように伝播され、その結果出力応答にどのような変化をもたらすかを判断することは重要です。これは(たとえば 、DfSS--Design for Six Sigmaのような)ロバスト設計に応用できますが、統計的相関や確率的モデルアップデートにも使用されます。
主な機能
わずか数個のコマンドを使って、統計的確率分布と、ランダムにサンプリングされた非常に多くの物理特性を生かすことができます。
FEMtoolsまたは外部ソルバ-を使って、各サンプルについて再実行の解析が可能です。
動的応答に対して、何百ものシミュレーションの実行に必要な時間の大幅な短縮のために、高速の近似的モード解析ソルバ-が使用できます。
感度解析およびモデルアップデート(前述)に対して使用できるすべてのパラメータと応答の選択が可能です。
出力応答のヒストグラム、平均、標準偏差を求めるためのポストシミュレーション処理機能を備えています。
モンテカルロ・シュミレーション結果のインポート/エクスポート
不確実テストデータとの確率的相関分析
分布図のプロット
統計的相関
統計的相関は、点群や統計的数量(重心、平均、標準偏差など)間の類似点や相違点に関する視覚的および数値的な解析を指します。テスト手順や結果の抽出方法もまた、バラツキや不確実性の影響を受けます。したがってテストデータは、確率論的なシミュレーションから得られる、よく似た点群と比較できる点群と 考えることができます。
点群の位置、サイズ、形状を比較することによって、シミュレーションモデルの品質をさらに詳しく把握することができ、テストされる構造物の、真の物理学的な姿を表現できる可能性が得られます。
確率的モデルアップデート
確率的モデルアップデートとは、簡単に言えば、シミュレーションとテスト点群間の統計的相関やそれらの統計的数量を改善するために、設計パラメータおよびやそれらのランダム特性を修正することです。
設計の改善とロバスト設計
シミュレーションモデルが検証され、したがって現実的なものになり、利用できるようになると、製品の性能や安定性(ロバストネス)という面で設計を改善することができます。確率的モデルアプデ-ティングと同 様の手順を使うことによって、設計の目標や制約を満たすシミュレーション点群の位置、サイズ、形状を変更するために、設計パラメータおよびそれらのランダム特性が使用 できます。ほとんどの場合、これらの目標は、品質、耐久性、製造上の許容誤差、したがって全体のコストに関係する仕様に変換されます。
実験計画法
実験計画法(DOE:Design of Experiments)は、より効率的な設計空間サンプリング法の技術を提示します。
DOE技術は、より良い相関性を導くために適切な参照データのセットを得る方法として有効です。例えば、初期FEモデルと参照データ間の相関性が貧弱なため感度に基づいたモデルアップデートを行なうことができない場合などに使用されます。
特徴
標準サンプリング方法(階乗設計、コンポジット設計、ハイパーキューブ設計、最適設計)
ユーザープログラムによるサンプリング
FEMtools内部ソルバー、外部ソルバーの利用
モード解析ソルバー・オプションの使用による迅速な解析
サンプル・レスポンスのランキング
FEデータベースへのサンプル適用
構造損傷モニタリングおよび損傷の識別
最新の有限要素モデルは、実際の損傷した構造から動特性を推定します。このモデルを損傷を受けていない構造の参照モデルと比較し、構造変化のモニタリング、損傷検知、QA法として役立てることができます。構造損傷モニタリング、損傷識別の主な目的と方法を以下に示します。
損傷の存在の識別(相関分析)
損傷位置の識別(誤差局在化、感度解析)
損傷の大きさの推定(モデル更新)
構造寿命の推定
損傷が正しく識別されると、構造物の修理や交換時期を決定することができます。実際上、損傷検知は、誤差局在化だけでなく、相関分析、感度解析、モデルアップデート、解析の実験(損傷パターンなどのシミュレーション)ことにも依存します。これはまだ研究段階でもあり、新たな方法等が検討されています。また、その手続きなども定期的に提案されています。さらに、正確な損傷検知は多くのテストデータとのその精度に大きく依存することは明らかです。
すべての産業に応用可能ですが、特に以下の産業で期待されます。
インフラストラクチュア:架橋、幹線道路網、建物、発電所、...
航空機とミサイルの構造:ヘリコプター、飛行機、エンジン、モーターハウジング、...
宇宙構造:衛星、宇宙ステーション、打ち上げロケット、...
交通/運輸:自動車、列車、潜水艦、船、...
機械:精密機械、回転機械、ロボット、...
構造損傷モニタリングおよび評価
テストデータは、構造の連続的なデータあるいは特定の時間間隔でのデータを測定し、損傷検知ルーチンと組み合わせることができます。これらの技術は実稼動モード解析(OMA)のような新しいテスト処理方法として、近年ポピュラーになりました。
実稼動モード解析は、任意の入力(運転時の作用力など)に対する構造の振動を解析する方法です。新方式は、時刻歴データから共振やモードシェープを直接識別することができます。OMAと有限要素解析を組み合わせることによって、自動的な実験と解析を行う強力な損傷識別ツールを構築することができます。この技術は、構造の損傷および損失を回避するために、ブリッジ、ダム、航空機、その他の構造物および機械に使用することが可能です。その典型的な応用としては、地震観測用のリアルタイム振動モニタリングがあります。
品質管理
大量で同一の製品に検知手続きを行う場合、構造モニタリングの焦点が損傷の存在の識別に適用されるとき、この損傷検知が有効です。一般に製造原価と比較して、修理コストが低い場合において、損傷の局在化および品質管理が利用できます。
寿命(ライフタイム)予測
疲労解析と構造モニタリングを組み合わせることによって、動的荷重下の構造の寿命を推定することが可能です。
材料特性の同定
FEMtoolsの有限要素モデルアップデート解析は、等方性材料、直向性材料、異方性材料の弾性特性を識別するたに使用することができます。材料特性やビーム断面特性がグローバルなアップデート・パラメータとして選択し、テストデータ(測定データ)の振動モードを参照応答として使用する場合、推定されたモード(動的挙動)が観察された1つと一致するまでアップデート処理が反復的に実行され、それらのパラメータ値を更新します。
応用例
積層材料の同定
主なアプローチは、複合材料、合成材料および薄層材料などの同定に有効な非破壊試験方法です。この方法は特定の温度条件(あるいはその他の条件)において容易に使用することができます。
積層材料の同定については、以下の文献や博士論文で参照することができます。
以下の多くのPDFドキュメントは、英文で記述されています。
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